音声認識

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 普段、スマホの音声認識機能はオフにしているのだが、その日は仕事の調べ物が多く、AIをフル活用していた。  そのため、音声認識が作動しっぱなしの状態になっていたのだが、それに気づいたのは、スマホがやたらと『何かの問い』の答えを示したせいだ。 『〇〇とは』  質問もしてないのに、やたらとAIが何かを説明し始める。そのどれもが、ネガティブな単語に対する回答ばかりで、何が起きているのか判らないまま不信感だけが募っていた。  その時、微かにノイズのようなものが聞こえ、それにAIが回答を始めた。 『××とは』  ノイズの中に聞こえた気がした、死を連想させるワード。それへの答えをAIが述べる。だから慌てて音声認識の機能をオフにした。  AIが回答し続けていた数々の質問。俺には今のノイズじみた音しか聞こえなかったが、それを発している何かがこの場にはいるらしい。  ここが自宅でなく、一人で居残り残響していたオフィスでよかった。  もちろん、明日からの出社を考えると気が重いけれど、プライベート空間に何かがいるのと職場に何かがいるのでは、嫌の度合いが違い過ぎる。  家だったら、どう対応していいか判らなくなっていたが、会社なら、とりあえず帰ればすむからな。 「スマホの音声認識はもう反応しないから、ついて来ても質問はもうできない。だから…俺について来たりしないでくれよ」  一応そう言い残して、俺はそそくさとオフィスを離れた。 音声認識…完

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