春先

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 家の近くの公園で、一人で喋っている人がいた。  見る限り、携帯電話の類は持っていないようだけれど、今時は、ワイヤレスイヤホンとかもあるし、手ぶらだからといって電話ができない訳じゃない。  でもその人は、どう見ても通話をしているようには見えなかった。  春先だから、こういう人が出現してもおかしくはないか。  そう思った時、その人の隣に人影が見えた。  何だ。もう一人いて、単にその人と喋ってるだけか。  おかしな人扱いしたことを心の中で詫び、先へ進む。と、公園の角を折れたところで、再びその人の姿が見えた。  やはり喋っている。でも隣には人はいない…いや、いる…やっぱりいない…?  見えたり見えなくなったりするもう一人の姿。おそらくだけれど、あれは、生きている人ではないのだろう。  そんな相手と喋っているあの人は、別の意味の『危ない人』なんだろう。  あのタイプは、春先関係なく出現するから、こっちできちんと避けるしかないな。 春先…完

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