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本棚に追加01.また来ることを予感しながら
その村は鬼に悩まされていた。鬼たちは半月から一ヶ月ごとの間隔で山から下りてきては、村にある食料はもちろん、金品を奪って去っていく。
貧しい村なので、金品と言ってもたいしたものではない。それでも村人にとっては大事な品。先祖から伝わる刀や、床下の壺に隠し持っていた、なけなしの蓄えの銭といったものである。
村を管理する代官は鬼の襲撃を報告すると言い残し、金品や食料をすべて抱え、家族とともに城下へと戻っていった。庄屋は自らの財産を城下の屋敷へとこっそり運び出し、家族とともに逃げた。
残された村人たちは田畑や水路を放棄するわけにはいかない。鬼がどれだけ襲来したとしても、定められた年貢はしっかり払うよう、代官や庄屋に厳しく命じられていたから。
「また鬼が来るんかのう」
爺さまが天を仰いでつぶやいた。絶望のため息とともに。水路の修理をしていた村人たちは一瞬だけ手を止め、同じく深いため息をついて作業を再開した。土を掘り起こし、板を水路に沿って組み立てていく。誰もが鬼たちがまた来ることを予感しながら。

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