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「……………。」
架夜の「殴りますよ」宣言の後、零は不満をぶつけるように架夜を睨む。
「……なんですか?その不満そうな目は?」
「………なんでもございません…。」
…が、無駄な努力。
例えるならば暖簾に腕押し、馬の耳に念仏。
零はどうあがこうと短気な毒舌腹黒大魔神、架夜に勝てるないのである。
零が遠くに視線を移して煙草を吸う。
その瞳に諦めにも似た光を滲ませながら…。
不意に、零は服を引っ張られた。
その方向へと視線を下ろせば何かを言いたそうに見上げる来稚と目が合う。
「どーかしたか?」
くしゃり、と頭を撫でながら問い掛ければ一瞬嬉しそうに顔を綻ばせた。
「…吸血鬼のこと…教えて?」
「…………え?」
来稚の予想外の質問に零の動きが止まる。
人は吸血鬼について深くは知らない。
魔力が宿る血を吸う異形のモノで、魔法が効かないという最低限の知識しかないのである。
それは退治屋も同じ事。
謎に包まれた人と同じ姿の異形のモノ。
彼らがいつから存在し、主に活動をする夜以外どう生活をしているのかを知る人間は、いない。
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