東の空が白んできた。
ついこの前まで、今くらいの時刻は真っ暗だったのに、最近は少しずつ朝が早くなってきている。
深夜も町を徘徊するタクシードライバーとしては、夜明けが早くなるのは実に喜ばしいことだ。
何しろ、うっかり客と間違えて幽霊に遭遇する率が下がるからな。
別に存在してても構わないけど、思わせぶりにそこいらに立ってて、時には手なんか動かしたりするから、客だと思って車を停める。すると、その瞬間すぅーっと消える。
あの肩透かし感ときたら、仕事の疲れが倍増する気分だ。
だけど連中、明るい時には出てこないんだよ。だから日が長くなって、早く夜が明けるようになるのがとても嬉しい。
夜明けの町…完
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