甘い香りの男の子

3/23
前へ
/221ページ
次へ
「遅い、明日香っ!」 「あ、咲季!ごめん、遅れた。ね、昨日は告白された?」 「何言ってんの!」 小柄で色白な彼女は、奥村 咲季。(オクムラサキ)私の親友だ。 咲季とは子供の頃から仲良しでよく一緒に遊んだりするんだ。 「ね、見て見て明日香!」 「んー?」 咲季は自分の頭を指差しながら言った。 「昨日、お母さんと買い物行った時に買ってもらっちゃった!」 咲季が買ってもらったというのは、クローバーの小さなピンドメ。所々光っていて可愛らしい。 「可愛いー!よかったね!」 「へへ♪はい、明日香!お揃いっ!」 「へ?」 「何よー、お揃いなのに。反応薄い!」 「ごめんごめん。ありがと、咲季!」 「明日から付けてきてね!」 咲季が嬉しそうに微笑む。楽しそうだ。 「うん。」 咲季と一緒になれたらいいな…。 軽い期待を胸に、私と咲季は学校に向かった。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1693人が本棚に入れています
本棚に追加