コンビ名とコンプレックス

10/10
前へ
/221ページ
次へ
ガラッ 「よぉ、冬吾。」 「ねぇ、二人仲良く授業サボっちゃって!何してたの!?」 あの後 音楽室に行こうとしたけど、私の目が赤く腫れてて。 私が出ないって言っちゃったから…。高橋も 「じゃ、俺も出ない。」 「何もねぇよ!俺がすげぇモノ発見してずっと騒いでたんだよ!」 「すげぇモノって何だよ?」 「秘密に決まってんじゃん♪」 高橋は、私が泣いたって事を誰にも言わないだろうな…。 …私が出ないって言わなかったら、高橋は…。 「何だよ、桐島!腹痛いのか?」 「…違いますけど。」 いきなり喋りかけられたので、私は無理して膨れっ面をつくった。 「君はしおらしいのなんか似合わないですよー♪」 「はいはい。」 「あ、そういえばさ…」 「♪♪二年一組、桐島明日香。高橋冬吾。今すぐ職員室に来なさい。♪♪」 音楽が流れながらの放送。 呼び出しされて、私と高橋は固まる。 「♪♪もう一度言います。二年一組、桐島明日香。高橋冬吾ー…」 「…やっべぇー…。」 「…音楽だよ、きっと。」 「何で呼び出しまでするかなー!」 「わかんない。」 パチパチパチパチ… 「?」 クラスメイト全員が拍手をしている。 私と高橋に向かって。 「何…!?」 何なの。 「いってらっしゃい、でこぼこコンビ!」 「仲良く怒られろーっ!」 違うって言ったのに…。 …まぁ、いいか。 「行ってきます!」 「え、桐島!?」 高橋が私を見る。 私はピースして高橋に言った。 「いいじゃん、でこぼこコンビ!」
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1693人が本棚に入れています
本棚に追加