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ガラッ
「よぉ、冬吾。」
「ねぇ、二人仲良く授業サボっちゃって!何してたの!?」
あの後
音楽室に行こうとしたけど、私の目が赤く腫れてて。
私が出ないって言っちゃったから…。高橋も
「じゃ、俺も出ない。」
「何もねぇよ!俺がすげぇモノ発見してずっと騒いでたんだよ!」
「すげぇモノって何だよ?」
「秘密に決まってんじゃん♪」
高橋は、私が泣いたって事を誰にも言わないだろうな…。
…私が出ないって言わなかったら、高橋は…。
「何だよ、桐島!腹痛いのか?」
「…違いますけど。」
いきなり喋りかけられたので、私は無理して膨れっ面をつくった。
「君はしおらしいのなんか似合わないですよー♪」
「はいはい。」
「あ、そういえばさ…」
「♪♪二年一組、桐島明日香。高橋冬吾。今すぐ職員室に来なさい。♪♪」
音楽が流れながらの放送。
呼び出しされて、私と高橋は固まる。
「♪♪もう一度言います。二年一組、桐島明日香。高橋冬吾ー…」
「…やっべぇー…。」
「…音楽だよ、きっと。」
「何で呼び出しまでするかなー!」
「わかんない。」
パチパチパチパチ…
「?」
クラスメイト全員が拍手をしている。
私と高橋に向かって。
「何…!?」
何なの。
「いってらっしゃい、でこぼこコンビ!」
「仲良く怒られろーっ!」
違うって言ったのに…。
…まぁ、いいか。
「行ってきます!」
「え、桐島!?」
高橋が私を見る。
私はピースして高橋に言った。
「いいじゃん、でこぼこコンビ!」
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