甘い香りの男の子

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「…あ。」 何やら正面玄関の方が慌ただしい。 「クラス表!もう、配ってるの?」 ダッ 「あ!咲季、待ってよ!」 そんな事を言いながら、私も咲季の後を追った。 「…はい、明日香っ。」 「あ、ありがとー…。」 咲季に渡されたクラス表を広げて見る。 えと…。奥村…。桐島…。 「…あー…。」 咲季が力のない声を出し、表をヒラヒラ回しながら私に言った。 「…あたし、五組。明日香は一組。」 咲季に言われ、五組と一組を見てみた。確かに私が一組、咲季が五組だ。 …ホントだ。私、一組かぁ。咲季と離れちゃった。 …確率低いのわかってるつもりだったけどさ…。 一緒じゃないのはやっぱり寂しい。 「…もー…。元気出してよ、明日香っ!あたし一組に遊びに行くから…ね?」 「…私も行くー…。」 「うん。じゃ、体育館行こ?」 咲季は私の背中を押して、大丈夫。と言ってくれた。
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