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本棚に追加眺めているだけにしていると、横からひょこっと祐希が現れて「奢ってあげる」と言われた。
「志津っち、金欠っぽいもんね。その服も……学校のジャージ?」
「はい……そんなところです」
彼女の家から夜逃げするみたいに出て行ったので、持ってきた服の数は少ない。
オレンジ色のラインが入ったジャージは、お世辞にもお洒落とは言えないが、機能性は抜群だった。
夏以外は快適に着られるし、すぐかわく。
学費と雑費を納入するときに、高いだの昔と違うだの、父にはぶつくさと言われたので、志津は一応大切にしている。
退学してからも普段着にするくらいに。
「やっぱり変ですか?」
「ううん。年相応。って、年相応だと志津っち一九だから童顔ってことになっちゃうか。今度給料日で余裕できたら、服買いに行こ。安くていいアパレル回ろうよ」
「せんぱいいいぃ」
祐希の優しさが嬉しくて感極まる。
レジを通すときに、童顔の祐希と志津は、若い店員に顔をじろりと見られたが、ことなかれ主義の青年だったようで、酒缶を黙ってビニール袋につめた。
祐希の部屋は1LDKで一人暮らしのアパートだった。
他に小部屋がなく、コンパクトな内装の端に段ボールで覆われた一角がある。

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