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いつのまにやら五月になってしまった。時の流れが恐ろしく速い。
この三割嘘日記は備忘録も兼ねた読み物にしようと思っていたのに、日々の生活は仕事に塗りつぶされてしまって、今はちょっと、何をやってんのか、やろうとしたいのかも、よくわかんない時期。
ここに書こうと思っていたことも、あれいつだったっけな、なんだったってな、って具合。それを忘れないためには日々ペンをとるべきなんだろうけど、疲れってのは良くないね、言い訳にしたくないけどね。
休みの日はファミレスで原稿をしている。書くスピードは相変わらず遅々としていて、ウーロン茶とコーヒーのおかわり回数だけが人生ゲージに加算されていく。原稿のお供にはコーヒーが最適なんだけど、ここのところ眠気覚ましの為にドーピング的な飲み方をしていたせいか、カフェインで神経が過敏になってしまって、具合もよろしくないのである。やっぱ白湯が一番いいね。
僕がファミレスで原稿をする時間帯、入口付近の席に、Wi-Fiを使って動画を見まくっているおじさんがいる。イヤホンとか使ってないもんだから、それなりの音量がいつも店中に響き渡っていて、さすがの田舎クオリティだな、と感心していたのだけれど、この間なんか静かだなぁと思って周りを見回したら、例のおじさんが耳の中にエアポッツを入れていることに気づいた。店からは長いこと黙認状態だったので、僕が知らない内に他のお客さんからクレームが入ったのかもしれない。ファミレスでの動画の音漏れは確かに迷惑ではあるけれど、僕はおじさんのあのアナーキーな振る舞いにも田舎の風情のようなものを感じていたので、ちょこっとだけ寂しくなるなどした。
まぁ、静かな方が原稿には集中しやすかったんですけどね。
エアポッツは一度も使ったことがない。
線で繋がっていないと、ぽろっと落としてしまいそうで怖いからだ。
JRで回収される、電車の中に忘れられていた落とし物の中に、エアポッツは多数含まれているらしい。あんなに高価なものを無くすなんて!それなら有線で繋がっている方が安心じゃないか、と思う。有線イヤホンの方がエモい、という意見もあると聞く。こんなにインターネットが発達して、無線でデータをやり取りするようになっても、「繋がっている」視覚的なイメージには影響力があるのだろうか、と思う。
夜の空には星が浮かんでいる。
かつて羊飼いたちは、星を結んで星座をつくり、物語を読んだ。
星と星とを繋ぐ星座のラインは恒星の光を反射しないため、我々の肉眼では確認することはできないが、物質としては確かに存在している。
何億光年の距離を超えて星座を結び続けている技術者集団、通称「星繋ぎ」たちは、羊飼いたちが編んだ物語の古参ファンで、この宇宙を神話の地にするために、今この時も、星を繋ぎつづけているのだという。

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