昨今は何でも『自動』だな。
近づけば扉は勝手に開き、テレビだって、予約を忘れていても勝手に自動録画してくれる。
あれも自動、これも自動。世の中便利になったものだ。
そんなことを考えながら歩いていたら、前からやって来た人が、横を通過しざまぼそりとつぶやいた。
「便利じゃない自動もあるよ」
見知らぬ人にいきなり声をかけられ、驚いて相手を見る。すると、相手の背後にもっと驚きの光景が広がっていた。
その人の背後に何人…何十、いや、何百と連なる人の列。
どう見ても生きてはいない人の群れが、今、目の前にいる相手の後ろに列を成している。
その異様な光景に見入っていたら、相手がまたつぶやいた。
「街を歩くと、自動的に寄り集まって来るんだ。でも、自動的にいなくなってはくれないから、毎回、祓うのに苦労する。…世の中には、こういう不便な『自動』もあるんだよ」
それだけ言い残し、その人は去って行った。
あれだけの霊が自動によってきて、だけど自動的にいなくなってはくれない…自動は便利だとか思って、なんかこう…すみませんでした。
自動…完
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