帰宅したタイミンクで、玄関に、見知った宅配業者の配達員が立っているのが見えた。
「ご苦労様です。荷物、受け取ります」
そう声をかけても相手は返事をせず、手にした紙に何か書き込んでそれをポストに入れた。
その瞬間、俺は、相手が死者だということを理解した。
うちか配送エリアらしく、何度も顔を会わせていた配達員。その人の訃報を聞いたのは三ヶ月程前だ。
その時期を境にうちに来る配達員が変わったので、なんとなくそのことを訪ねたら、荷を届けてトラックに戻る途中、脇見運転の乗用車に突っ込まれて亡くなったのだという。
ちなみに、その日に配達予定だった荷物の中には内に届ける品があり、それは後日、遅延のお詫び状と共に届けられたのだが、亡くなった配達員の中では、事故以降の荷物はまだ届けていないことになっているらしく、いまだにこうして家に現れることがある。
ただ、もう亡くなっているあの人には、こちらの呼びかけなどは聞こえないようで、さっきのように声をかけても『いないもの』と判断され、不在通知が投函されるのだ。
不思議なことに、死者からの不在通知はいつもポストの中に存在していて、必ず、内容を確認した後消えていく。
幽霊だけど、怖いという気持ちは湧かず、可哀想だと思ってしまう相手。
早く亡くなったことに気づいて、安らかに眠ってください。
不在通知…完
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