はじめに  ~私の20秒は、宇宙よりも長かった。~

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はじめに  ~私の20秒は、宇宙よりも長かった。~

「ストップウォッチを手に、測ってみましょう」  それは、CMコピーコンテストの審査員が残した、あまりにも真っ当で、あまりにも残酷なアドバイスでした。  K-MIX CMコピーコンテスト  19社の企業公募に対し、私は23の魂を書き上げました。  設定を練り、リズムを刻み、SE(効果音)のタイミングまで指定し、マイクの向こう側で流れる「至高の20秒」を夢見ていました。  結果は、全滅。  箸にも棒にもかからない、見事なまでの「完敗」でした。  なぜ?  理由は明白ですね。  私の愛が、情熱が、そして物語が、物理的な20秒という器に、1ミリも収まっていなかったからです。  コピーライターの世界では、20秒は約100文字が限界と言われています。  しかし私の書いた原稿を読み返してみますと、あるものは300文字を超え、あるものは壮大なBGMのクロスフェードを要求し、あるものは異世界のドワーフに人生を語らせていました。  もはやコピーですらありませんね。  それは20秒の皮を被った「短編ドラマ」であり「音楽番組」でした。  このままこの子たち(ボツ作品)をハードディスクの肥やしにするのは、あまりにも忍びない。  そこで、未練を断ち切り、来年の自分へとバトンを繋ぐために、ここに「没コピー供養祭」を開催することにいたします。  これから紹介するのは、20秒の壁に正面衝突して粉砕した、愛すべき未練たちの記録です。  どうか、ストップウォッチを片手に笑ってほしい。 「これ、20秒じゃ絶対無理だろ!」  ツッコミを入れながら、私の無謀な夢の跡を眺めていただければ幸いです。 ※ なお、掲載しているコピーの企業名は、受賞作に敬意を払い、架空のものにしてあります。   掲載順も順不同(私の気まぐれ)にしてあります。

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