帰路の途中で

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 次の日も私は、公園に訪れる。今日は、仕事でミスをして気分が落ち込んでいた。こんな日こそ真っ直ぐに家には、帰りたくないと思ってしまう。どうせ帰っても特別な事なんてないのだから。 「にゃーにゃー」  今日は、あの白猫を見て非現実的な世界にいるのだと思いたくて私から白猫を呼ぶ。 「ウーニャー?」  本当に人懐っこいのか、縄張り意識が強いのか分からないがいつもの白猫が、いつもの花壇から頭を出した。 「ニャーニャッ!」 「またお前か。よっ!」って感じに言われた気がした。 「にゃー……」  「そうですよー」って感じの意味を込めて鳴いてみる。元気がない感じを察したのか、珍しく白猫が私の前に来る。座らない所を見ると警戒心が強い猫だが、仲間思いなのかもしれない。白猫に仲間だと思われてるかは、分からないけど。  私が1歩ゆっくりと進むと、猫も私の1歩分歩き始める。私は、その光景が微笑ましくて嫌な気持ちなんて忘れてしまった。やっぱり、夜のこの公園にいる時間は、非現実的な時間なのだと改めて感じる。  いつもの中央に来ると「ニャー」と鳴き声が聞こえてきた。目の前には、白猫。やはり、最近聞こえ始めたこの鳴き声持ち主は、白猫とは別の子のようだ。白猫が私の方を見た。「お前か?」みたいな視線付きで。私は、首を横に振りいつものように「にゃー」と鳴く。 「……ニャー」 白猫もとりあえず鳴いてみる。 「ニャ?ニャー」  いつも無い鳴き声の返事があった事に不思議思ったのか、少し疑問を感じる鳴き声といつもの挨拶の鳴き声が聞こえてくる。  挨拶を終えたと思った私は、白猫と共に夜の公園を散歩する。出口が見えて来て、私の足取りは重くなる。それでも、白猫は構わずスタスタ歩きそしてこちらを見た。 「ニャッ!」 「またな」的な事を鳴いて白猫は、一足先に非現実的な時間を抜け出し草むらに走っていく。 「あっ……そうだね。もう帰らなきゃね。……よし!」  私は、気合いを入れ直し白猫が去っていった方に向けて「にゃっ!」と「またね」と鳴いた。もっとこんな幸せの時間が続けばいいのになと思ってしまう。  嫌な気分が戻ってくる前に家に着きたくて、1日働いて疲れた体を無視して駆け足で公園を出た。最近見かける仕事帰りだと思われる男性。昨日も私のうんと前を歩いていた人だ。その人の横を私が駆け足で通り抜けた。少し驚いたかその男性は、一瞬立ち止まりまた歩き始めた。

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