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本棚に追加 特段これまでスポーツなんてものはしてなかった。それでもある一言から、今ではちょっと面白くなっている。そんな彼女の物語だ。
40を前にしてスポーツをするなんて思ってなかったが、その帰り道で清々しいと思えながら家に帰る彼女がいた。
「一応晩御飯はちゃんとしないと」
趣味となっているので時間さえも忘れてしまいそう。しかし、それを理由にサボりたくはない彼女なのでいつも帰りにはスーパーに寄って手作りの夕食の食材を買う。これが恒例になっていた。
元々は週に1回だけのつもりだったのに、楽しくって今はもう週に3度も通っていた。
彼女がどうして今まで縁もなかったようなスポーツを始めることになったのかはある一言からだった。
「最近太ったな」
ポツリと語られた言葉。それは結婚して5年ほどが過ぎたときに夫から言われたのだった。
「それは、年齢を重ねるとそういうこともあるよ」
言い返す彼女だったが元々強い人格ではないので夫は彼女が怒っているとも思ってない。
「うん。そうだろうけど、こうシルエットがね」
そんなことを言う彼も結婚の時から比べたら体重は増えているだろう。人間は年齢には勝てないのだ。
そして今の彼はソファにドカッと座ってお酒を片手に話している。だから彼女は「貴方に言う権利があるのか?」と言いたくなるがそれを言うと喧嘩になりそうなので言葉を飲み込んだ。
「そ、んなにひどいかな?」
そして自分が太ったという事実も気にしていた。
実際のところ体重は増加している。でも、元々細身と言うか小柄なので気にならない程度だと思っていた部分もある。しかし、こう明確に言葉にされると自分でも気になっていたのだ。
「昔とは違うね」
ちょっとした言葉だったのかもしれない。それは彼女にもわかっていた。それでも彼女は存分にショックだったのだ。

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