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「───ッ!?」
私が絶望と恐怖に瞼を閉ざそうとしたその瞬間、ドカッという重い音と共に、男が突如私の視界から消えた。
慌てて男が消えた方向に顔を向けると、男は私の真横で脇腹を押さえて蹲っていた。
…一体…何が───…
「死ねよゴミが───」
唸るような低い声に、私は顔を上げた。
恐怖と絶望で震えている私の横に立っていたのは、宗ちゃんだった。
私の引きちぎられたブラウスと剥き出しになった肌を見た宗ちゃんの瞳孔が、怒りのあまりみるみるうちに開かれていく。
草むらで蹲る男を捕らえた宗ちゃんの目はいつもの優しい宗ちゃんの目ではなくて───獲物を捉えた猛獣の目そのものだった。
「───ッ…ははは…
…すげぇ蹴りだな───…でもよ…」
蹲っていた男は脇腹の痛みに顔を歪めながら、ゆっくりと立ち上がった。
ガチャリと冷たい金属音が、河川敷の橋脚下の闇に響いた。
月の光に照らされる、黒い銃口。
男は銃口を宗ちゃんの眉間にピタリと定めた。
「拳銃持ってる相手に…
…丸腰で勝てるなんて思ってねぇよな?」
男は泥塗れの顔で歪んだ笑みを浮かべ、震える手で銃口を向けた。
でも宗ちゃんは、少しも表情を変えない。
男はいつでも撃てると宗ちゃんを脅すように、親指で拳銃の後ろにあるハンマーをカチリと起こした。
「おいおい…ビビって動けねぇってか?
───どうする?
───今ならまだ逃してやってもいいぜ…?
俺が殺すように言われたのはその美人だけ…
金も貰ってねぇのにお前を殺しても…俺には何の得にもなんねぇからよ」
「───…」

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