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本棚に追加今日は絵本の貸し出しの日。
「水野真愛(みずの まあ)です。これ返します」
まーちゃんは『おばけのてんぷら』を返した。
色分けされている棚に戻してから、本棚の前で考えた。
「どれ借りようかなぁ」
しばらく悩んでから、一冊の絵本を手に取った。
「これにしよう」
「水野真愛です。これ借ります」
すず先生は思わず声を上げた。
「えっ! 『おばけのてんぷら』でいいの?」
「うん。この絵本好き」
すず先生は貸し出しノートを見た。
まーちゃんの欄には、『おばけのてんぷら』の題名がずらりと並んでいた。
「ママー。これ借りてきたー」
「まーちゃん、『おばけのてんぷら』好きやね」
「うん」
まーちゃんはママの膝に座って、『おばけのてんぷら』を読んでもらった。
読み終わると、
「ママ、ありがとう」
「どういたしまして」
それから、みーちゃんのところへ行って、今度はまーちゃんが読んであげた。
すず先生のまねをしながら読む。
みーちゃんは楽しそうに聞いていた。
「ぷー」
みーちゃんが声を上げて喜んだ。
夕方、パパが帰ってきた。
「ただいまー」
「パパ、おかえりー」
すると、パパはうれしそうにDVDを見せた。
「ママ、これ借りてきたー」
「そのDVD、何度目? また借りてきたの?」
「これ、好きやねん。何回見ても面白い」
それを聞いて、ママは思った。
『まーちゃんと同じ。いや、まーちゃんがパパと同じって言ったほうが正しいのかな』
そういえば、この2人はよく似ている。
親子だと名乗らなくても、顔も仕草もそっくりだ。
好きな食べ物も、嫌いな食べ物も同じ。
「ふふふっ」
思わずママが笑うと、
「ママ、何がおかしいの?」
まーちゃんが首をかしげた。
「ううん。何でもないよ」
まーちゃんとパパは顔を見合わせて、きょとんとしていました。
父の日の今日。
ママは、そっくりな二人を見て、ふふっと笑いました。

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