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本棚に追加百合乃花よりさくらんぼ
この物語はある痛みと視線から始まった。
「最初に観て、触れてくれたのはあなたでしょ?」
「そんなの・・・」
「痛い」
「そうかも」
ある果実は、一つの花芽から二個の花が咲き、一本の花弁から二つの実がなる。二つの実は互いに栄養を奪い合うことで成長する。実はどんな歪な形であろうと、どれだけサイズに差があろうとも二つの実は一つの果実として成立する。その果実の名を桜桃(さくらんぼ)と呼ぶ。そんな桜桃の中でひときわ異彩を放つ品種である“佐藤錦”。そして、果肉がかたくハート型の桜桃で名は“大将錦”。どれがよりおいしく実るのか。私は今も答えを探している。

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