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暗闇の向こう側に
『秋子が死んだ……』
涼からの電話は信じられない言葉で始まった。
「………」
突然の電話は涼からの嬉しくない連絡だった。
しかも、考えられないような言葉だ。
『冬子。気をしっかり持てよ。秋子は殺されたんだ。』
涼は淡々とはなしている。
冬子の頭の中はグルグルと回って理解が出来なくなっていた。
「涼ちゃん…。どういうことなの?」
『詳しい事は俺が現地に行って調べてくる。』
「現地?」
『秋子は熊本で殺された訳じゃないんだ…。必ず連絡するから冬子は待機しててくれよ。』
そう言うと電話は切れた。
雨の夜は冬子にとっては、やはり不吉なものであった。
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