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「もしもし、悟郎か?」
涼は事実を確かめるために現地に向う列車の中にいた。
『藤木か、久し振り。なんかあったんか?』
昔の友達がいまから向う場所に住んでいることを思い出し、電話をかけていた。
「厄介ごとだ。すまんが、これからそっちにいこうと思う。水先案内人を頼めるか?」
『かなりヤバイ状況みたいだな。俺が案内人するぜ。』
ただならぬ涼の様子に電話の相手が言う。
「朝にはそっちに着く。すまんが、頼む。」
『わかった』
相手の返事を聞くと涼は電話をきった。
列車の窓からは何処までも続くかのような暗い海が見えていた。
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