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店では夜も遅いというのに、それなりの賑わいをみせていた。狭い通路に沢山置かれたテーブルが支配されかけている。
「こちらの席にどうぞ」
満面の笑顔で席を手で示され断る男はいないだろう。俺は従い、のそりと座った。メニューを渡され、ページを開いた。オムライスに始まり、様々な子供向けとも取れるメニューが記載されている。しかも
「……高い」
普通の店よりも高い。若干ではあるが、気になってしまい
「少し高いね」
素直に尋ねてしまった。困惑する女に、俺は焦って理由を簡単に述べた。飲食店でバイトをしていて、敏感になっている。聞いた女も
「サービスがあるからです」
いや、要らない。そう返したかったのだが、押し殺す。必至で働いているのだと自分に言いきかせて、オムライスを注文した。
「かしこまりました」
オムライスを待つ時間は、暇だ。椅子から首だけを動かし周囲を伺うと、メイドとジャンケンをしている者や、にらめっこをしている奴と様々に別れていた。
「……別世界みたいだ」
喰って早く出て行こう。
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