五月の俺と君

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俺はその問いに答えることなく自転車をこいで帰った。 そしてまた信号で止まって後ろを向くが彼など居ない。 未練などない。今の俺には愛する犀霞が居るのだから。 生温い風がまた頬を撫でた。信号が変わり走り出す。 後ろなど振り替えらずに過去など見ないように。また俺を走らせる。 その中で思い出したのは彼の悲しそうな顔だった。 好きだった人。 それは未だに俺の中に生き続け思い出させる。 そして、また彼、拓也に会うことがあるのなら今度は俺の生き方を話してやろう。 過去を振り返らない俺だけの生き方を。 五月の俺と君end
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