決断

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あれから、数日後…。 あたしは、張り切っていた…。春人と、アメリカに…。「大丈夫かなぁ~、まだ英語なんて話せないし。」隣に居た春人は「大丈夫…。すぐにでも覚えられるさ。」春人は優しくあたしの頭を撫でた。「うん!!」あたしは、思いっきり笑顔だった。「かすみ…。俺、これから、事務所に行かなきゃならない。遅くなる時は、電話する。」春人は、元気よく飛び出て行った。 「行ってらっしゃい!!気をつけてね。」 春人が出掛けた後あたしは、いつもの様に過ごしていた。 事務所では、黙々とアメリカの準備をしていた。春人は、持って行く物を段ボールに詰め込んでいた。すると、同じ事務所で、‘RODO’という今、女性に人気を集めているバンドのヴォーカル成宮琴音が来た。忙しそうに準備に励んでいる春人を見て、「何してるの?どこに行くの!?」と不思議そうな顔をしていた。「あぁ…。琴音か。来週ぐらいにアメリカに行く事になったんだぁ。だから準備。」「そう…。あたしも行っていいのよねぇ?あたしもアメリカで勉強したかったし…それに、春人一人だと可哀想だしね。」(笑) クスっと笑って琴音は言った。「俺なら、大丈夫…。ちゃんとついてるから…。一緒に行く奴は決めてある。だから心配しなくていい。」春人は、真面目な顔で言った。「何言って…。本気なの…?誰なの!?」俺が一生かけて守ってやるって決めた女だ。」琴音はそれを聞いてとても驚いた顔をしている。 「じゃあ、聞くけど…。その人は、健康なのね?貴方の邪魔にならないと言えるの!?」「お前に関係ないだろう…!俺が決めた女だ。」琴音は、春人の腕を掴んで「まさか…病気?何で春人は、そうやってまた辛い方へ足を伸ばそうとするのよ…!!駄目よ…。貴方がまた苦しむ事になる。あの時の様に…!」涙ながら春人に問いかける。「もう決めたんだぁ…。俺には、彼女が必要なんだ。分かってくれ…。」掴まれていた手を離した。 「春人…!!あの時の様な目にもうあって欲しくないの…。あたしのお姉ちゃんみたいに…。その人もいつかは、死んでしまうかもしれないのよ…?長くは、ないのよ。春人の悲しむ顔は、もう見たくないの…。」
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