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さわり。
ひっつめ髪が揺れ動いた。
あ。
思わずアリウスを見上げつつ、自分の頭髪を弄っているのが彼だと悟った。
びっくりして背中が硬直する。
「彼女は砂漠の森で僕と一緒に居ました。僕の話をきいてくれませんか?ゴールデンサンド王。」
「もちろん、面白い話、聞かせてね。うふふ。」
今度はにこやかに笑うカーリー様。
うん、駄目だよ…。
スキンシップって、甘えさせてもらえる大事なコミュニケーションだと思わない?
こいつはいつもいつも…っ!!オレのことガキのように扱いやがって!!
…ありがとう。
オレの頭を撫でてくるアリウスの横顔に目をやった。
「大丈夫だから。」
拒否をするわけじゃないが、彼に自分から手をどけてくれるようさりげなく仕草でほのめかした。
「……オレ、そこにいました!」
暫くして轟く切羽詰った怒鳴り声。
短くはあるが、砂漠の話を語るオレと、カーリー様の表情の変化には目を見張る面白さがあった。…あはは。
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