精霊

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太陽の光はまぶしい閃光を放ち、午後のカラカラに暑いゴールデンサンドを演出する。 目いっぱいに葉を伸ばした作物たちは盛んに光合成を繰り返し、原始の頃には有毒でさえあった爆発的なエネルギー元、酸素を世に吐き出すのだ。 それでもすぐに日が傾き、日中の暖かな日の光にわずかの悲しさも覚える。故に人々は太陽に感謝をする。世界を照らし、光と影を作り出す太陽に。 精地と影地を作り分けた太陽に感謝する。 全てを作り上げた太陽に感謝する。 カーリーはしばらく席を外した後、僕の話を聞きに同じ部屋に戻ってきたようだった。 王様は色々とお忙しいらしいね。 「今日は一日がかりで待たせてしまってもうしわけないわね。魔の者と接触したとなるとそこいらの雑魚とは勝手が違うのよ…」 「いいえ、僕らこそわざわざ王と語り合える時間をもらえて光栄ですよ♪」 どうも疲れ気味の王にこちらから笑顔を差し上げるとそれに喜んでもらえたようで、彼女もその美しい笑顔で返してくれた。 精霊としての自分の役割というのは根の部分というか、そういうところで人間に対しての愛情というものがあるのだと思う。 「聞くけど、貴方のことを簡単によろしいかしら?珍しくあのコが供のものをつれてくるから、人並みに興味はあるわよぉ~」 そういうカーリーの期待とは単純に男女間でのそんな感じだろう。しかし事実はもっとこの国を深刻な事態へとまねかざるおえない。答えは慎重に出すべきなのだ。
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