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「僕はアリウス。彼女が旅の途中で出会いました。単純に僕がキャロルさんを気に入ったので。あはは、まぁそんな感じですよ」
「あなたずいぶんいい男よね。キャロルちゃんもあなたを気に入ってなければそのスカーフを貴方に使わせたりはしないわよぉ~」
「お褒めの言葉光栄です。いえこれは間に合わせに貸していただいたものでして、この国の日差しがあまりにもきついので。あ、すいません、この国の悪口を言う気はありませんよ!素晴らしい国です!」
まぁ本当は僕の水色の頭髪を隠すためだけのものなんですが。
それでも話にわずかの笑いを持たせることが出来ると、僕はキャロルさんに対しての話を語りたくてたまらなかった。
本人は気づいているのかいないのか、彼女の起こす仕草は言い表せないくらいの可愛らしさがあるんですよ。
猫っぽく背中を丸めて落ち込んでいると首を傾げて僕を見る。そして口から飛び出すのは、「お前腹減ったからなんかとってこいよぉ~」
ですよ?
ここで撫でたい衝動を我慢するんですよ。殴られるので。本当に惜しい。凶暴でなければなんとも可愛らしいではないですか。
凶暴なんですよね。彼女の持つ狂気には僕も後ずさりしてしまいます。それくらいに手が届きづらく、そのすきをつくのが僕のマイブームで…
彼女に構われたいので頑張っているんですよ。そう思えばあれ?いつのまにか大人しくなってしまうんですよね。可愛いです…。ここで彼女のツンデレとしての魅力が!!
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