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「何もしなくても、キャロルといれば必然的に外が干渉してくる。そこはボクの立ち入れない世界だけど、その時に君は力を使えるようになるさ」
言葉の真意ははかりかねるが、力を使えるようになる、その羽が付くような軽い言い方に含まれる言葉の大きさが胸にしみてきた。
すると、彼女の呪いを断ち切ることも出来る?
「彼女にかかっている呪わしい事象も僕が解決することは出来ますか」
「剣のことかしら?」
カーリーが言葉の意味を酌んでやんわり切り込んできた。
「精霊にどうにかできたら、グーロッドちゃんにさせているわぁ。だから私はあの子には危険なところには少しでも行って欲しくないけどね」
知っている人間。
僕よりも彼女を知っている人間がカーリー。
しかし、貴女は…彼女に何もしていないでしょう。
保護していることが何かしているということじゃないでしょう。
僕は何かするんです。
だって僕は彼女の持つ剣…魔王の左角の剣の…その剣の息子だから、全く不愉快なその呪いの連鎖を断ち切る義務がある!
「…僕は、国に居て外に出ることの無い貴女と違い一緒に居て守ることが出来ます。そう、出来うる全ての手段を使って守りますよ」
「ふふ、そうするといいよ…」
全ての手段と宣言したその言葉の意味は、力が使えないという屈辱を認めるという意味だ。それににやりと笑いながらグーロッドは肯定したのだ。
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