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不意に扉をノックする音が聞こえた。
扉の前でカーリーが受け答えをしにいくと、どうやら執事のテラがディナーの時間だということを伝えにきたようだった。
カーリーは執事にその場で少し待つように言うと、キャロルさんのスカーフを僕に渡し、それをするように促した。
「ね、君は食事をとる?」
グーロッドが聞いてきた。僕はということは彼はどうなのだろう。
精霊は食事なしでも生きれるが、嗜好品として嗜むことができるし行動するときのエネルギーに変換することも出来る。それは人間と同じなのだ。
だから、
「ええ」
そう返事を返すと彼は、なんかこう、雰囲気的に瞳をキラキラ輝かせたような顔をしてこういった。
「じゃあ、君はボクと一緒の卓♪いいでしょ同類?」
しかし、こちらも被保護者が居る身。キャロルさんが命名ですからね、僕は保護者なんです。
しばらく彼女と離される事実は、知らない場所で一人放り出された不安感で胸がざわざわと騒がしくなってしまう。
「断る理由はありませんが、キャロルさんとは別なんですか?」
「駄目よぉ~。キャロルとは私が先約なんだから、貴方は客室で彼とディナーよ。グーロッドがめずらしく姿を見せてくれたんだから、精霊どうし仲良くしてちょうだいね♪」
「そうですか…」
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