夜更け過ぎ…

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ぞろぞろ、 あたりは物々しい格好をした兵士達で溢れかえり始めていた。 怒号が飛び交い、数人の兵が怪我人の措置を救護班と共に行っていた。 魔の者! …僕が眠りをむさぼっている間にこんなに被害が!? 奴は本体と離れた両手があった。小回りのきくそれは、無差別に兵の息の根を止めているとしか思えない。 また遠くで叫び声が聞こえ、大量の兵がその現場へ向かうのに必死だった。 「おい、魔術師の準備が整うまで歩兵は全滅するんじゃねぇぞ!!お前らは死んでもこいつらの盾になれ!!我々はこの宮殿を守るんだ!!!」 隊長らしき人の怒号。 相手は魔の者といえど、皆怯まず構えをとっていた。 ここには絶対に守らなければいけない、王がいるのだから…。 廊下の奥から、魔術師というものがやってきた。 廊下に、儀式的な呪文を刻んだ片手にもてるくらいのクラブやメイスを手にした、7名ほどの集団が現れた。 それは前列に2名、またその後に2名ずつが2列並び、最後尾に1名がいる全4列の陣形を結ぶ魔術隊だった。
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