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「ええ」
昨日のナンパ事件のことを思って先方は多少機嫌のよさそうな声ではなかったが、彼女はその出来事をどうでもよさそうに振り払うと、
「その節はどうも」
とだけいって
「あ、見たろコーリンのあの魔力!!びびったろ?この宮殿の中を探してもあそこまで高威力の術を放てるやつはいないぜ。さすが俺の彼女!」
彼女は得意げな顔をすると、自分の功績よりまず自分の彼女のことをキラキラした顔で褒め上げた。
その切り替えしの見事さ。
さ、さすがに女性ですね…
「貴方がこちらにいるとは思いませんでしたね…。ええ、彼女はとても優秀な魔術師のようです。貴女も素晴らしい活躍じゃないですか」
「そうだろ~。お前もちっとは見習えよ。何もしないでそこで見ていたの知ってんだぜー」
…!
「無力なのは自覚していますよ。しかたありません。僕にはキャロルさんがいないと何も出来ないんです」
なんて…腹の立つことを言ってるんでしょうね僕は…
「なんだ、紐ってやつか?何処の男も全くたよりになんねぇやつばかりだ!」
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