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しかし、精霊でもおかしいことに、魔に組する者も居るのだ。
砂漠で見たグリディオス。
あの岩という攻撃は精霊の使う自然の力だった。しかし闇の属性。
さらにアリウス。
彼も魔王の息子でありながら精霊として生まれている。
こまかく分ければ、魔王には腹心がいることになっていて、その腹心よりは位は低いだかなんだか。
あぁ、もっと本を読んでおけばよかったな。
大昔のことなんで魔王に関しては伝承が薄くなっていたり曖昧だったりするのである。
話は戻る。
アリウスに開放されたその子供ワイバーンは、慌てて天まで逃げていった。
逃げていく時、銅の鱗がオレの肌にかすり傷を作っていく。
その傷は、さらさらと肌を撫でる風が通り過ぎた頃には、もう跡形もなく消えていた。
空は夕闇にさしかかり、紫色の薄い雲が、輝き波打つビロードのように、遥か彼方まで繋がっている。
そんな、ゴールデンサンド国入り口前。
「そうだ、国に入るんだから、その水色の目立つ頭どうにかしないとな~。」
オレはアリウスの美しい色に透ける水色の頭髪を指した。
この国の人間は黒髪が一般的で、まれにいてもオレのように金髪ががった頭髪の人間はいるけど、こいつみたいに人間には持っていない色彩の髪の毛は目立ってしまいどうしようもない。
精霊は、その属性の色を持っている。
オレも精霊を生で見たのは初めてだけど、こいつのように髪の毛で表されるのが一般的のようだ。
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