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「やぁ……」
「っ……!!」
ベッドに座っていた私は背後からの突然の声に振り向いた。
そこには頭から足先まですっぽりと真っ白なロングコートに覆われた少年がいた。まるで色という概念を存在からまるごと取り除いたようだ。
私はこの少年がとても神秘的で、危険な存在だと直感で感じた。
「やぁ……」
また同じことを繰り返し言う。
正直不気味だ。
「やぁ……」
「…………」
私が黙ったままいると、少年は何度も繰り返し挨拶をしてくる。
挨拶を返さないと彼は延々と挨拶をするのだろうか、そう考えた私は少し口ごもりながら彼の挨拶に答えた。
「や、やぁ……」
少し笑いかけてあげるように言ったのだが、絶対全然笑えてないと少し後悔した。
そんな時、唐突に少年が言った。
「……ごめん」
「え……?」
何のことかさっぱりだ。
「ごめん……」
「なんのこと言ってるの……?」
私は話が見えなくて質問をしたが、少年はまったく聞く耳を持たず意味のわからないことを話し続けている。
「君の望みはもう止められない……」
何を言っているんだろうか……。
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