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「そう……君は過去を変えに来たんだ。でも、ひとつだけ言っておくけど……過去なんて変えるもんじゃないし、変えたいと思うこと自体間違いなんだよ」
「…………」
私は自分が変えられるものなら過去を変えたいと思っていることを自覚させられ、おもわず唾を飲み込んだ。
「さ、忠告は済んだ……過去を変えようか」
言ってること矛盾してるよ!?
私はおもわず心の中でツッコミを入れてしまった。
いや、そんなことより――
「過去を変えるってどういうことなの!?」
「そのままさ……」
「そのままって……そんなこと出来るの!?」
「君はそのために来たんだよ?」
「そう……なんだ……?」
「そうなんだよ……僕はおすすめしないけどね……」
どっちなのよ……。
私はまた心の中でツッコミを入れながら話しかけた。
「どうすれば過去は変えられるの?」
「過去を変えるのは僕だよ……君が現実に戻った時の時間軸はそのまま、状況はだいたい君の望むまま。パラレルワールドが形成される心配はしなくていいよ」
正直話がよくわからないが、状況は私の望むままだと言う。もし私が、世界征服を望んでいればそのために過去が変わる……そういうことなのだろうか。
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