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「で? 私は何をすればいいの?」 「……別に何も」  少年は何を言ってるんだと言わんばかりに言ってくる。 「え……」  ひょうしぬけだ。てっきり命懸けの試練とかに挑むのかと思っていたのだから当然なのだが……。  それにしても……記憶を失うということは、たぶん過去を変えたということを忘れさせるためにあるのではないのだろうかと思う。本当かはわからないけど……。 「すぐやる?」 「…………まず何をするのか教えてくれない?」  さすがに過去を変えたことがあるなんて経験はない。  それが少し私を怖がらせ、いますぐやるのを踏みとどまらせてしまった。 「何をって……過去を変えるんだよ」 「そんなの知ってるわよ……どういう行動をするのか聞いてるのよ」 「……質問はちゃんとしないとね」  ちょっとむかつく……口には出さないけど。 「こうやって、こう…………」  少年は真っ白のロングコートの中でもぞもぞし始めた。  そしてしばらくたったが、まったく要領が掴めない説明を続けている。 「…………で、こうなって……こう、かな」  説明が終わったらしく、少年がこっちに向き直った気がする。フードで見えないから雰囲気だけれど……。
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