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 しかし母は黙ったまま首を横に振っただけだった。 「何それ……そんなんじゃわかんないよ……」  私は身体から力が抜けるのを感じた。  ベッドを殴りつけた手が痛くなってきたけれど、私は心のほうが痛くてたまらない。 「潤君は亡くなったわ……でも瞳が悪いんじゃない、これは不幸な事故なのよ……」  私は病院の真っ白なシーツに顔を蹲らせて泣き出し、母の言葉は途中から何も頭に入らなかった。 「私のせいだ……」  私の口から微かに呟きが漏れた。 「違うわ――」 「ごめんお母さん、ちょっと一人にして……」  母のとっさの言葉を遮ってまでも私は一人になりたかった。  今私が彼に出来ること……いや、償うべきことは何か……。  私がそう考えているうちに母は何か一声掛けて病室から出ていった。  私は身体をうめつくさんばかりの包帯をじっと見つめ、痛々しい自分を見、何故私が生きていて彼が死ななければいけなかったのか……死ぬべきは私だったのにと思う。
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