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何もない。
何一つない。
塵の一つすら見当たらない。
色もない。
何もない。
そんな場所でたった一人の、色のない少年が無限の時を持て余していた。
いったいどのような空間なのだろうか、重力の制限を受けずに、色のない少年は上下逆に漂っている。
悲しそうに
寂しそうに
哀しそうに
淋しそうに
一人で、今にも泣き出しそうに
言う
君も過去を恨むんだね……そんなことに意味はないのに。
やっぱり人間は悲しいね……。
――さぁ、時間を制する時間だ。
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