流れのなかで

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式の雰囲気も和み、パ登場の前段階も整った。 「パは、どうした」 ピは側近のマに囁いた。 「パは今妖力を自力に還元するために、冷水につかって妖道を緊張させています」 ピは長くてどす黒い舌をピロピロさせると、顔をしかめた。 「妙に…長くないか、おい!ヨ!ちょっと見てこい」 使い走りのヨは即座に駆け出した。 人の皮膚でコーティングされた廊下を黒い羽をばたつかせ、黒い光に見えるほどの速さで、冷感室の前にたった。 ヨは叫んだ。 「パ!やばいぞ!急がないとグリコどもが帰っちまう!」 冷感室から反応がない。 「おい!ばか!なにしてる!?」 ヨは扉をドンドンと叩き、しまいには扉を熱光線で破壊した。 扉の中に敷き詰められていた、哺乳類の睾丸が焼けかけでぱらぱらと散らばる。 「やばいぞ…こりゃあ」 ヨはしばらく茫然とその場に突っ立っていた。
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