最後に彼女が見た景色

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最後に彼女が見た景色

あの時の僕はまだ小学二年生で、今の僕が知っている知識の半分も身につけていなかった。 これは僕がまだ子供の作り方も、キスの仕方も知らなかった幼い頃の話だ。 その日僕は看護師の母が勤めている大きな病院に初めて一人で行った。 母がなにかを忘れて、それを届けにいったんだ。 荷物を受け取った母は僕に感謝して、とても褒めてくれた。 僕は照れくさかったが、いやな気はしなかった。 そのとき名前を呼ばれた母は、気をつけて帰るようにと僕に言って、呼ばれた方へ走っていった。 僕は唐突に独りになったが、いい機会だと思ってその病院の中を探検することにした。
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