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…【一緒には過ごせない】
ろろは信じられない気持ちで泣きました。
今までに流した涙では、重く 悲しく 純粋に…
そんな中、ろろの目の前で大きな光が、大きな音を奏で…
ろろは涙を拭うと音のした方へ走りました。
そこには見たことのない機械で争いあう人々、血を流した親に泣いている子供、それを見て笑う大人・子供
ろろには信じられない光景でした。今まで夢見た時間は全て壊されてしまったのです。
その時に知ってしまったのです、本当は目に映る物が『形』なんかではなく自分の中に映る姿が『形』なんだと…
確かに光は見えても闇の中に映る光は消え、綺麗に思えた世界は色があるだけの世界…
絶望に感じ何も考えず一週間が経ち、ふらふらと歩いていると、二人の子供に出会いました。
絶望の世界でも楽しそうに生きている子供を見ると、ミチと遊んでいた頃を思い出しました。
「お兄ちゃんは何故泣いてるの?」
ひとりの子供がききました。
ろろは少し時間をかけて答えた。
「少し前まで一緒に過ごした友達を思い出して…」
「楽しくないの?」
子供の声を聞くと、背を向けて離れようとした時、微かに感じた懐かしい気配、けれども周りにはその子達以外は見当たらない…風が強く吹きホコリが目に入った時、見えたのです。ミチが話しかけている姿が
【気付いたのかい?よくわかったね 僕がここにいるのが…】
【今まで何処に?】
【ずっと近くにいたよ、目には映らなかっただけだよ】
【どうして?】
【そうゆうルールだからね…】
【淋しかった…僕はミチと離れて全てを無くしたんだ】
【なぜ?目が見え ろろには良いことだらけではないのかい?】
【本当は目なんか見えてもうれしくなかった、ミチがいなくなった方が目が見えないより悲しかった…】
【…けれどももう昔のようには戻れない】
【わかってる…ミチにお願いがある、もうわかってると思うけど】
【本当に良いのかい?もう後悔はしない?】
【もうしない…ミチとは本当の別れだね…】
【次、逢う時は記憶が無いからね】
【最期に、あの時はごめんね…そして今までありがとう
とても大切な物を『形』を心に残してくれてありがとう、そして…さようなら…】
この言葉と同時に、ろろは灰になり風とともに消えてしまいました…
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