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私の思考は、どこかおかしいんだろうか。
変わりたくないと、大人になりたくないと思う事は、不思議ではないと思う。
誰だって、子どものままでいたいと思っているはずだ。
この考えのどこがそんなにおかしいのだろう。
「神之木さん?ちょっといい?」
星湖の目の前には、三人の女子。
星湖はすぐに、翔一のファンだと認識した。
三人に断る理由も見付からず、星湖は渋々彼女等についていった。
「神之木さんは、片岡君の何なの?」
やっぱりこの質問が出るか。
「別に、ただの幼馴染み。」
星湖としては素直に言ったつもりだ。しかし、この言い方が気にくわなかったのか、真ん中の一人が、明らかに苛ついた態度を見せた。
「片岡君はそうは思ってないみたいだけど?」
「え?」
それは、星湖にとって耳を疑う言葉以外のなにものでもなかった。
「この前、この子が片岡君に告ったの。そしたら、他に好きな子がいるから付き合えないって言われたのよ。」
「アイツに…。」
フラレたという、別の女の子が言うにはこうだ。
彼女は、翔一を手紙で呼び出したそうだ。まぁ、よくある手だと思う。
翔一は、時間ぴったりに手紙に指定されていた場所に来た。
30分前から待っていた彼女は、意を決して告白した。
だが、返ってきた言葉は、「………ごめん…他に、好きな子がいるから……。」という事だった。
彼女は、好きな子は誰だと詰め寄る様に聞いたという。
彼女も予想はしていたが、やはり傷つかずにいられなかった。
翔一は、真剣な顔で「星湖だ。」と、答えたそうだ。
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