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小さい頃、幼稚園の先生が好きだとか言ってた翔一。
「大きくなったら、ハルカ先生と結婚する!」と言っては星湖がからかってた。
その時はまだ、星湖と翔一は、ただの幼馴染みだった。
「翔一が…?」
放心した様な顔で、女子生徒の言葉を繰り返し呟く星湖に、女子生徒はどこまで鈍感なんだという驚きと、大丈夫かコイツという冷めた目で見ていた。
と、突然星湖が弾ける様な眩しい笑顔を見せた。
女子生徒はもちろん、ひいた。
「まっさか~!アイツああ見えて年上好きだぞ!私とはただの友達としか思ってないって~!」
まだなお現実を受け入れようとしない星湖に、一同ずっこけたのは言うまでもない。
「と、年上好きって…。」
「幼稚園と小学校の頃に先生に告白してフラレてた。」
「「「それは子どもの頃の話でしょうがっ!」」」
さらりと答える星湖を思わずつっこんでしまった女子生徒三人に、感心した。
まさかここまで揃うとは。余程仲の良い証拠だ。
「片岡君がいつまでも小学校や幼稚園の頃と一緒だと本気で思ってんの?もう片岡君だってアンタだって大人同然なのよ?
アンタにその気がないんならさっさと片岡君にそう言ってほしいんだけど。」
星湖が翔一に気があるのか確かめる呼び出しが、地味に星湖のお説教会と化してしまっている。
だが、ここで、星湖に思いもよらない異変が起きた。
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