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「そう、冒険の話だったね。」
と、迷子達と散々はしゃいだ後、ピーターは話をやっと戻した。
「昔、僕が死ぬ前に君達迷子と約束した事を果たしに来たんだよ。
僕がまだここにいた時みたいに、こんな風にはしゃいだりしようってね。それを果たしに来たわけ。」
それを聞いた迷子達は大いに歓声をあげた。
だが、ピーターは「しかぁーし!」と迷子達全員に聞こえる声で歓声を止める。
「見ての通り、もう僕、ピーターパンではない。今や生まれ変わって神之木星湖という女の子になっている。
もちろん、星湖という人格も存在し、今まさにこの体の中で僕の話を聞いている。
つまり、本来であれば僕はこの世に居てはいけない魂であるからして、一時間程しか星湖の体を借りられない。」
ここまででピーターが話を区切ると、迷子達は一気に歓声から不安の声に変わった。
「だが、案ずる事なかれ。どうやら星湖もネバーランドが気に入った様だし…、ここは一つ、どうだろう諸君。
君達迷子が星湖を特訓させ、自在に空を飛べる様になれば、星湖が僕の代わりに冒険に出てくれる!」
『は!?』
周囲は大歓声に包まれた。
ピーターはまるで演説を終えた大統領の様に、偉そうに手を振っている。
『ちょ、ちょっと待ってよ!私はまだ一言も…!』
「良いじゃないか。ここに居れば、星湖は大人にはならなくて良いし、それに、」
この時、
「もう、あんな思いをしている星湖を見たくない。」
星湖は初めてピーターパンが笑わないところを見た気がした。
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