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吹き抜ける夏の風、
幼き日々の記憶を運んでくる……
父の背に乗り蝉をとり、
母の膝枕の上で眠り、
夢を見ていた。
時は流れ、
あの頃遊んだ木々はなくなり、
時代に飲まれ、
アスファルトに変わり、
いつの間にか自分さえも変わっていた。
懐かしきあの時間を、
もう一度。
衰弱してしまった心に安らぎを………
もう一度あなたの背に憧れていいですか?
もう一度あなたの胸で眠ってもいいですか?
………気が付けば日は傾き、
夕暮れの涼しき夏の風、
幼き日を思い出す………
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