『Start・~始まり~』

10/11
前へ
/11ページ
次へ
「もう少しで扉が全て開きます… もう少しの辛抱です」 心配する龍治を横目に綾香は直立 不動で扉の前に立っていた…。 「流石は使用人…慣れてるな…俺 は初めてだから…驚かないほうが 可笑しいよな普通…(汗)」 龍治は自分自身に対し自問自答を していた…。 そして扉が左右に開ききり中から 白衣を身に纏った一人の老人が 現れた…。 「…君が龍治くんだね?」 先程、扉の上部から聞こえた声は 龍治と綾香の目の前に居る老人と 同じ声だった…。 「は、はい…龍治です」 …戸惑いを隠せない龍治を尻目に その老人は淡々と話を進めた…。 「まぁ…立ち話も何だから、中に 入ってくれたまえ…あと綾香… すまんが、珈琲を入れてくれない か?龍治くんも飲むかね…?」 「い、いいんですか?頂いても… そ、それじゃあ…お言葉に甘えて 一杯だけ…」 龍治は、素直に老人の問い掛けに 応えた…。 「…龍治様はブラックですか? それとも砂糖とミルク…どちらも お使いになられますか?」 綾香が龍治に問い掛ける…。 「あ…両方で…少し、砂糖多めで お願いします…俺、苦い珈琲は 飲めない奴なんで…(汗)」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加