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突然、高校時代の級友からメールが届いた。
『明日、家に行っていい?』
と云うものだった。
俺は、びっくりした。
相手が相手だからだ。
その相手とは、高校時代に別れた彼女だからだ。
正確には、俺がふった相手だ。
たまにメールはしていたが、会うのは五年ぶりだ。
俺は店長に電話した。
「もしもし、俺です。実は…」
俺はいきさつを話した。
「いいよ。今では真面目に頑張ってきたからな。久しぶりの再会を楽しみなさい。いろいろと積もる話もあるから」
「すみません。ありがとうございます」
「いいっていいって。気にするな」
「それでは」
「おう、おやすみなさい」
「ええ、おやすみなさい」
俺は電話を切った。
呼び鈴が鳴った。
こんな時間に来るのは、一人しかいない。
「お邪魔しま~す」
部屋に入って来たのは、隣に住んでいる女性だった。
俺は、この人を『姉さん』と呼んでいる。
「開ける前に入って来ないでくださいよ」
「ま、いつもの事じゃない?それより、ご飯は?」
「今、用意するよ。姉さん」
「ありがとね」
「いえいえ、お世話になっているお礼と思えば。半分は、好きでやっている事だから」
そう言って俺は、台所に向かった。
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