メール~級友として、恋人として~

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
突然、高校時代の級友からメールが届いた。 『明日、家に行っていい?』 と云うものだった。 俺は、びっくりした。 相手が相手だからだ。 その相手とは、高校時代に別れた彼女だからだ。 正確には、俺がふった相手だ。 たまにメールはしていたが、会うのは五年ぶりだ。 俺は店長に電話した。 「もしもし、俺です。実は…」 俺はいきさつを話した。 「いいよ。今では真面目に頑張ってきたからな。久しぶりの再会を楽しみなさい。いろいろと積もる話もあるから」 「すみません。ありがとうございます」 「いいっていいって。気にするな」 「それでは」 「おう、おやすみなさい」 「ええ、おやすみなさい」 俺は電話を切った。 呼び鈴が鳴った。 こんな時間に来るのは、一人しかいない。 「お邪魔しま~す」 部屋に入って来たのは、隣に住んでいる女性だった。 俺は、この人を『姉さん』と呼んでいる。 「開ける前に入って来ないでくださいよ」 「ま、いつもの事じゃない?それより、ご飯は?」 「今、用意するよ。姉さん」 「ありがとね」 「いえいえ、お世話になっているお礼と思えば。半分は、好きでやっている事だから」 そう言って俺は、台所に向かった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!