関係

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合コンが始まった 集まったメンバーは、俺とツレ二人。見た目も良いし話しも上手い盛り上げるのも上手い、合コン向きの人間。 相手方は、いつもの彼女と彼女の友人。お世辞にも「カワイイ」と言えないが、普通の女の子が二人 そしてお互いの友人達は、俺と彼女の関係を知らない そんな感じの合コンが始まった 居酒屋でスタートして、酒の力を借りたりしながら盛り上がり打ち解けあってきた所でカラオケに向かう。その道中、ツレが俺に話しかけてきた 「俺さ~、あの子(俺の彼女)気に入ったからさぁ、カラオケで隣行かせて頂きます!」 「マジかよ!……まぁ好きにしろよ」 そんな話しを聞いて俺の心が揺れた 正に「心が揺れた」って表現はこの為にあると思えるほどだった しかし、ダメと言えずにカラオケが始まってしまった ツレは彼女の横に座り、彼女の肩を抱いたりしながら唄ったり話したりしていた。 彼女は嫌がらずに、話していたが、時々俺に向かって悲しそうな…寂しそうな目を向けてきた その状況に耐えられなくなった俺は、トイレに行くと告げて部屋を出た 俺は外で1人で考えていた なんでこんなに嫌なんだろうか?なんで腹が立つんだろうか? 答えは簡単なんだと思うが、それを認めようとしてない俺もいた 考えていた俺に話し掛ける声がした 「大丈夫?気分悪いの?」 彼女だった。なかなか戻らない俺を心配して様子を見に来てくれたのだ 「あぁ…大丈夫」 「そっか、良かった。倒れてるかと思った」 「大丈夫。ってか悪かったな、アイツさ、スキンシップ取りすぎだな」 「ちょっと積極的だよね?」 「お前の事気に入ったんだと。良かったな」 「………良くないよ」 そう言うと彼女は俺に抱きついてきた 「ねぇ…抱き締めて?抱き締めてくれたら、今日はガマン出来る気がするの…」 彼女は初めて自分から俺に抱きついてきた。…少し涙目で 俺は…その彼女を見てウダウダ考えていた心に答えが出た 俺は彼女が「好き」だと 彼女をギュッと抱き締め、彼女に言った 「悪かったな、今までガマンさせて。今からガマンしなくて良いよ」 「……え?」 「俺の彼女になれよ。今から」 彼女はびっくりした顔で俺を見つめた。が次の瞬間、涙が彼女の頬を流れた 彼女は泣きながら、でも今までで一番の笑顔で 「うん!」 と答えてくれた その夜、二人は恋人になった
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