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私立探偵だと!?
店員が明かしたその素性に、我々は驚きを隠す事が出来なかった。
「し……私立探偵?」
石橋が、やっとの思いでそれを口にした。
新庄と名乗る店員──いや、私立探偵は、再度壁の時計に目をやって、さらに言葉を続けた。
「探偵である私が何故今夜、ここで店員をしていたかについては、おいおいご説明していきます。とにかく、今は急いでこの状況を把握する事を第一とせねばならない。我々の中に殺人犯がいる事は、紛れも無い事実なのですから」
新庄の目は、少しもふざけてはいなかった。
かくして、突如として現われたこの私立探偵の手によって、今夜ここで発生した出来事の全てが、紐解かれようとしていた。
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