日常から非日常へ

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「これから平成○○年度一学期始業式を始めます。礼」 (かったる…)亜弥は形だけ頭をさげ、ため息をついた。 ここは、月臣学園と呼ばれる私立の学園の体育館、いままさに亜弥の中学校最後の年が幕開けした瞬間だった。 といっても感動的なことがあるわけでもなくただ式が着々と進んでいるだけであった。 滞りなく式も終わり配られた紙に従い新しいクラスに向かう。 (へー、美和と朱音とかとも一緒か…。)紙を見ながらクラスに入ると 「亜弥~また一緒だね朱音嬉しい😆🎶」と朱音が抱きついてきた。 「朱音、苦しい😣」ともがくと 「朱音、亜弥がめっちゃ苦しそうだから放しなよ」と美和が慌てて言う。「む~😡」と言いながらしぶしぶ朱音は離れたところに 「入り口でやんなよ…レズか?」と翼が入ってきた。 「レズじゃないもん❗」慌てて朱音が声を上げる。 「レズって見えなくもないけどね…」軽く肩をすくめる美和 「翼に言われちゃ初めてみた人は絶対そう思ってたんでしょうね…。」と亜弥が呟くと 「相変わらず仲が良いのは良いことだが、さっさと席について、ホームルームやるぞ❗」いきなり坂本先生(通称サカモ)がやってきた。 「サカモ➰また担任で嬉しいよ🎶」 「サカモ〰早く終わらしてね~😏」と次々に生徒からヤジが飛ぶ中 『バン💥』 「さっさと席につけ‼」と教卓を叩き生徒たちを黙らせた。 「かっこいい…😍」朱音は、うっとりとした表情でサカモを見つめている。朱音はサカモに入学式の時に見て惚れそれからアタックを続けている。 音を聞き怯える生徒よりもうっとりと見つめる生徒が半数以上…サカモは学園の先生の中でも3本の指に入るほどかっこよくて良い先生なのだ。 生徒たちが席につき静まるのを見て 「とりあえず、顔合わせしたいから自己紹介しろ。それが終わって配るもの配ったら今日はオシマイ。」と笑顔つきで言った。「係りとか委員決めないの⁉」とサカモクラスが初めての生徒が聞く 「サカモは、くじ引きで勝手に決めちゃうんだよ」と旧サカモクラスだった翼が言った。 「マジかょ~⤵」と初サカモクラスの生徒が嘆く。「ってことで個々の自己紹介終わったらお前何になったってオレが言うから。じゃ、一番から始めて」とサカモは言うと一番手の子が立ち上がった。
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