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廊下だ…
伽夜はいつの間にか、長い廊下を歩いていた。
廊下の床には、まるでセレブのお嬢様が歩くような、埃一つない赤いカーペット。
壁には数メートルずつの所に、金の装飾のある電気がついている。扉は一つもない。
その廊下の雰囲気を言うならば、さながらどこか英国のお屋敷の様だ。
なぜ、自分はこんな所に居るのか。
あまり深く考えずに廊下を歩いて行って数分、伽夜の前に広い広い空間が現れた。
その空間自体は先程と変わらない西洋風だが、ただ一つ違うのは、とてつもなく大きな扉がいくつもならんでいること。
その中に異色を放つ扉が一枚だけあった。
ほとんどの扉は木でできているのだが、その扉だけは鉄の様なもので出来ている。
それは、金色のドアノブが付いていたから扉だとわかったものの、銀色の鉄の板をただ壁に立てかけたのではないかと思うほど、簡素なつくりをしていた。
その異様な風貌に興味をそそられたのか、少し不思議に思いながらも、伽夜はそのまま、その扉のドアノブを掴もうとゆっくり手を伸ばす。
ドアノブを掴み、右に回す
ギィイ―――
扉は
大きな音を立てて
開いていった…
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