紅き魔女と赤い満月
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その少女は人里離れた森にいた。 赤い髪、赤い瞳、赤い唇、白い肌……。 午前二時。 いつものように少女は、所々に赤黒い染みのついた白い衣装をまとい、森から町へ繋がる道を下り始める。 月光に照らされ、右手に握られたモノが、鈍く光った。 少女は只、前を向いて歩いていく。 その顔には、何の感情も浮かんではいなかった。 少女は「魔女」と呼ばれていた。
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